38.海外でリーダーシップを発揮して働くために
3-3.戦略、戦術の大枠を考える
1)アウトラインを考える。
とりいそぎつかんだ状況から、大胆にアクションに結びつく仮説を考えてみる。
アクションに結びつく仮説を考えるとき、私は以下の図を浮かべるようにしている。
まずは、4P(Product, Price, Place, Promotion)と呼ばれる非常にポピュラーなものだ。
この部分は、基本中の基本になる。ここが大きく競合より劣っていたり、提供する予定
のお客様へのニーズを大きく外していたりすると、まずは市場で生き残っていけない。
4Pすべてで競合より優っている必要は無いが、少なくとも抑えなければならないポイント
(対象とする市場による)で大きく劣後すると生き残れないことになる。
ただこの4Pは、Productが特許で守られているなどの特別な状況で無い限り、
比較的競合が真似しやすい要素であり、あまり差が出ないことが多い。
このため、この4Pの改良を常に意識しながらも、他の差別化もあわせて提供しなければ、
競合との戦いは厳しいものになる。他の差別化とは主に、組織体制の差別化、構造の
差別化、仕組みの差別化など競合がすぐに真似できないものである。
あとは、これをお客様に提供するときに、連続的につながる打ち手が1、2、3、と出せるか
である。連続していないと、効果が半減する。そして、お客様が競合ではなく、自社を
選びたいと思える、もっと言うと自社を選ばないと具合が悪いというスイッチング障壁を
可能な限り多く作ることである。これがその企業の競争力になる。