22.海外でリーダーシップを発揮して働くために
3-2.現状把握
1)スケジュール確認
私は、ホーチミンで3代目営業所長となり、ベトナム創業後約10年が経過していた。
業績は順調。ベトナムの経済も上向きであり、経済状況が沈滞している日本と
対照的であった。
ただし、そういう状況であったので売上拡大は当たり前。売上を落とそうものなら失格。
即日本へ戻されるというプレッシャーもあった。売上予算もGDP成長率が、その当時7%
ぐらいだったので、前年比に比べて7%の売上拡大は寝ていてもできる。ということで、
当時の予算は前年の15%増しだとか20%増しだとかいう予算が平気で組まれていた。
当時の日本の予算からするととんでもない伸び率だ。こういう状況の中での赴任となった。
2006年のホーチミン営業所の売上は○○であった。(下図)(実際の数値は載せれないため
イメージとしておく)
前所長との引き継ぎ時に聞いたことから、この業界でのベトナムの販売チャネルは、
メーカーである当社→代理店→販売店→エンドユーザーという流れが一般的であり、
このチャネル構造は日本のそれと大きく異なっていた。
エンドユーザーが直接 我々の商品を販売店で見て、値段交渉し買っていくのだ。
私は日本の家電ルートみたいなものだなと思った。
いずれにせよ、リーダーシップを発揮するには、私は下図が基本と考えており、
まず1戦略、戦術をつくる。ことがスタートと考える。そのため、大雑把で
いいので、市場を把握する→競合を把握する→自社を把握する。ところから
始めなければならない。
現状把握なしでは、戦略、戦術はつくれないからである。
戦略、戦術の大枠をつくるために、以下の現状把握(市場、競合、自社)をする。
引き継ぎ時に確認するつもりだったこと(下図)を再度確認する。
① 商品決定の流れと自社の主要顧客の確認
② 競合と自社の商品、サービスの確認
③ 自社の業績と利益ドライバーの確認
私は、代理店様を挨拶がてら回り、その後、販売店様を数多く回ってみよう。
そして代理店様、販売店様がどういう商売をしているか理解して、そこから
市場と競合を把握しようと考えた。
早速、代理店様を訪問する予定をスケジュール化した。ホーチミン管轄の
代理店様は5社ある。一番大きい1社(赴任初日に販売プロモーションの不平の件で
対面したところ)は、やはりいろいろ打ち合わせに時間がかかるだろうから、1日取る。
残りの4社は、移動時間も含めて1日2社という形で合計3日かけて代理店様を訪問
することにした。