shyumahaのブログ

海外でリーダーシップを発揮して働くために、私が海外勤務経験から得た体験記を記しています。

93.海外でリーダーシップを発揮して働くために

2)現場代理店の内紛

ある日、当社の現場代理店担当スタッフから、相談事があると連絡を受けた。

内容は、既存の現場代理店のキーマン(副社長)が、今の会社を辞めるとの事。

そのことで相談ということであった。

 

深く内容を聞いてみると、この副社長は、今の現場代理店の共同出資者の1人。

全部で4人出資者がいるようだが、あとの3人は皆 身内で、彼だけが身内ではない。

どうもそのことが引き金となって、いろいろな経営方針で対立して、彼だけがきびしい

仕打ちを受けているようだ。そのことで少し相談したいので会ってほしいということだった。

 

こんなときも営業所長は、できる限り会って話を聞いてあげたほうがいい。そう思った

私は、いいですよと応じた。後日 彼は当社の事務所にやってきた。

彼を一目見て私は思った。かなりやつれたな。年は私より、2年ぐらい下のはずだが。

 

ひととおり挨拶した後、彼との話に入った。彼は、当社の複数ある現場代理店のある

1社の副社長であり、4人いる出資者の内の1人であること。

他の3出資者と経営理念が合わず、かなり追い込まれていること。暴力を振るわれ、

怪我をして、裁判所に訴えていることなどを話し始めた。

 

私も聞いていて正直びっくりしたが、彼がやつれている理由がわかる気がした。

彼のいいたいことは、今の会社を辞める予定であること。ただし、今の会社の売上の約

半分は、自分のお客さんであること。

 

今の会社を辞めて、あたらしく当社の代理店業を行いたい。だから代理店として

認めてくれないか?ということだった。

 

私は、彼と営業同行したこともあるので、人物的にはまじめで、信頼できると感じていた。

当社のベトナム人スタッフの評判もそうであった。ただ、新しく代理店として認めるとなると、

少々難しい。

 

もし私の一存で代理店として認めると、他の代理店への説明も難しいし(他代理店は、

とにかく同業他社が増えることは、競合が増えることを意味し、嫌がる)、

 

第一、当社に対する支払い能力も未知数だ。取れる担保も有るかどうかわからない。

かといって、彼が抜けた現場代理店は、先が落ち目になる可能性は高い。

 

さらに目の前にいる困難に直面している彼を何の救いの案もないまま帰すのも、

心苦しい。彼は明日からでも食い扶持がなくなってしまう可能性があるのだ。

 

少し考えて私は以下のことを彼と、当社スタッフに相談した。