81.海外でリーダーシップを発揮して働くために
第2回目交渉
2回目の交渉は、午後3時から開始した。このとき私は、1人で代理店に伺った。
彼らは英語がしゃべれるし、1回目の交渉で大体論点がわかっていること。
あまりぞろぞろスタッフを連れて行くと、彼らも本音で話しにくいだろう。という思いからだった。
ただ、相手は社長以下、幹部も入れて全部で4人となる。4人対1人なので、結構なプレッシャーだ。
果たして、ここでは核心に触れる話が聞けた。といっても正確に言うと、後になってわかったということだ。
以下は、そのやり取り概要だ。
私『前回に続いて、あずけ在庫の廃止をお願いしたい』。『我々代理店にとっては、
大きなダメージだ。売上が下がるかもしれないよ』。『売上が下がるということは、
どういうことでしょうか?当社が倉庫を近くに持つので、少なくとも売上予算分は
大きな問題は無いはず』。
『代理店としては、キャッシュフローのリスクが大きくなり、リスク回避から、
結果的にメーカーから買う量が減る可能性があるということだ』。なるほど、私は、
それは確かにあるかもしれない。しかしその影響は、我々が販売店に常に魅力
のある政策を提供することと、営業努力を怠らなければ大きなダメージは無いと思った。
なぜなら、販売店から注文がどんどん回転すれば、代理店は実オーダーを受けることになり、
代理店のキャッシュフローリスクも軽減されるからだ。
そう思い、『確かに多少は出るでしょうが、その分、当社は販売プロモーションの更なる充実、
政策の充実、生産能力の増大を適切に行います。それがひいては代理店さんのリスク軽減
にもつながると思います。だから大きなダメージはおそらく無いでしょう』。とお伝えした。
しばらく、やり取りがあった後、核心に触れたのはその後のやり取りだった。