89.海外でリーダーシップを発揮して働くために
第5章:さまざまな顧客からの要求
1)No1販売店からの要求
次第に狙った行動が、根付きつつあると自分では思っていた。
でもおそらく私がベトナム語をしゃべることができるなら、いろいろな見落とし、
理解不足などがたくさん出てくるだろう。それぐらい異国の地で働くということ、
英語ではなく現地語を理解できないハンディはやはり大きいものである。
しかしそれでも、営業活動の狙い、その見える化を通じての確実な前進感。
経済が右肩上がりである事の環境的な有利面も加えて、業績が上がっていることが、
営業所の雰囲気を明るくしていた。しばらくは、この方向で走っていくことになる。
だがビジネスに問題、課題はつきもので、うまくいっているように思えても大小さまざまな
事柄が発生する。
ホーチミンでNo1の販売店である店からクレームが入った。クレーム内容は、当社の
ある現場代理店の大型物件に出す見積もりが安すぎて、ことごとく取られるという内容だった。
どこの商売でも、代理店同士のバッティングあるいは、代理店と販売店のバッティングは
よくあることだ。だがここは、ホーチミンでNo1の販売店である。いい加減な対応はできない。
現場代理店が、大型物件に出す見積もりが結構安く出てしまうということはちょくちょくある
ことである。要は、下図のような状況だ。
・ 現場代理店は、毎月見積り情報を当社へ通知している。
・ 現場代理店は、販売店へ売ることができない条件となっている。
・ 現在の販売プロモーションは、販売店だけの適用。
普通に考えると、当社から代理店、現場代理店に販売する価格が同じなら、
販売店が流通段階で1つ多い分、大型物件への出値は、上のチャネルの方が
高くなる。大体どこの業界でもこの種のバッティングは日常茶飯事だ。
問題は、このクレームをつけてきた販売店が、ダントツのNo1の売上であるので、少々頭が痛い。