67.海外でリーダーシップを発揮して働くために
今後こういう政策を打って、売上アップに努める。
その結果、代理店さんは売上、利益共にアップが見込めるでしょう。
もちろん、ガソリン代などがアップすることや、配送頻度がアップすることから、
若干はプラスマイナスの部分があるでしょうが全体としては伸びるでしょう。
一方、我々も売上、利益共に伸びるでしょう。しかし、ご説明申し上げた政策を
実行する以上、工場増設、販売店への販促活動などこちらも経費がかかる。
もし、代理店さんがこの配送網構築のために、配送サポートの更なるアップを
当社に求めるなら、申し訳ないが当社は現在のサポートの内何かを削らなければならない。
とお伝えした。
いろいろ押し問答があったが、結局は承認してくれた。とにかく何か新しい政策を
打つときは、必ずといっていいほど押したり引いたりというこの手の交渉が頻発するのも、
新興国ビジネスの特徴である。
さらに、有力地方都市での優先配送網はどうするか?これに関しては、有力地方都市の
内1都市にあたりを当社がつけて、それを代理店さんにも話をして共有化した。
その結果、当社が営業所を設置すると、一番力の強い代理店も倉庫付きで、営業所を
設置する意向があることがわかった。
1番力の強い代理店が営業所を出せば、おそらく対抗意識で2番手の代理店も倉庫付きで
営業所を出すと予測した。
そこで、これもハノイの本社に答申し、当社が営業所を先に出すことを認めてもらった。
その都市は、ホーチミンから南のメコンデルタ地域にあるCan Thoという場所だった。
そう私が正式赴任前のパーティに参加した所だ。
もちろん、ホーチミン営業所としては、この都市が重点地方都市であり、人口もベトナムで
3番目に多いことも確認していた。今後は伸びると確信していたし、移動手段が車しかなく、
やたらと時間がかかるこの国では、きめ細かい密着営業をするには、重点地点への
営業所設置が重要と考えていた。
この案は、滞りなくすすみ、2社の代理店共に倉庫付き営業を開設し、ホーチミンに加え、
南の地方エリアも密着営業と迅速販売網の体制が整った。