shyumahaのブログ

海外でリーダーシップを発揮して働くために、私が海外勤務経験から得た体験記を記しています。

60.海外でリーダーシップを発揮して働くために

●工場が勝手に出荷を制限している。

先述したように実はそうではなく、本社工場ベトナム人出荷管理担当者は、

あずけ在庫の弊害をわかっており、それを何とか是正するための行動だった。

 

代理店や顧客からの欠品という言葉だけを捉えて、工場出荷管理担当者を責めると、

とんでもない見当違いになる。真の課題は、本当の需要を予測し、その需要機会取得

の最大化をはかるための適正生産規模の確認とその体制構築。

 

営業所長は、それを確認するために前線で実際の需要の確認となる。そのために、

まずは売上計画に応じた供給台数を割り出し、代理店とそれを交渉することが

スタートとなる。

 

●価格改定、商品モデルチェンジの時に処理できないほどの大量発注が来る。

  新興国なので経済がどんどん発展し、物価も上がる。このため当社も価格アップ

という形で価格改定を行うことが結構ある。当然、販売店、代理店は安い旧価格で

買いたいので、大量に発注をしようとする。

 

一方、当社はできるかぎり早く新価格の価格アップで対応したい。商品モデルチェンジ

の時は、販売店、代理店は、新モデルを買いたい。

一方、当社はできる限り旧モデルの在庫を一掃したい。

 

このような背景から、当社がこの切り替えを発表するタイミングが、なんとその1日前

となっていた。日本では考えられない、売り手目線での対応だ。

 

その当時の当社の読みは、1日しかないので、販売店、代理店は、旧価格での対応に

要する時間が非常に限られるので旧価格対応を最小化できる。

またモデルチェンジも1日しかないので、ぎりぎりまで旧モデルを売ることができる。というものだった。

 

まあ、当社の観点からのみ見ると、理屈はわかる。日本と違い物価上昇が激しいので、

旧価格対応が長引けばその分利益が下がる。また旧品の在庫が余れば売れ残りとなり、

それも当社の損。

 

しかし、直前まで日本で働いていた私にとっては、これはあまりにも一方的だし、

営業の前線でクレームが頻出することになる。事実頻出していた。1日前に大量に旧価格で

対応してくれ、いきなりモデルチェンジしたので、旧モデルを返品してくれ等々。

 

その度に販売店、代理店と非生産的な長い交渉をする必要があった。

私は、以下を本社に提案した。