56.海外でリーダーシップを発揮して働くために
-
次の課題は、販売店がエンドユーザーへ売りやすいようにすることだ。
その案を考えてみてくださいと伝えた。これと上記の図を組み合わせることになる。
ここでまた、15分の休憩をいれた。
日本と違って、通訳を入れたり、英語でしゃべったりしなければならない上、
現地スタッフは何回も言うように、こういう議論になれていないので話があっちにいったり、
こっちにいったりする。
しかし前述したようにそのそれた話の中に、思わぬヒントが隠されていることがあるので、
辛抱強く聞きながら、会議をリードしていかなくてはならない。
はっきり言って、日本の会議の数倍疲れる。
また、赴任最初の内は、うだるように暑く、湿気も多い上、食べ物も日本と違う東南アジア
に慣れていないので、さらに疲労に拍車がかかる。
さて、15分の休憩が終わり、販売店がエンドユーザーへ売りやすいようにする案を
現地スタッフに尋ねた。スタッフからの意見は概ね下記であった。
● 現在行っている、エンドユーザー向け販売プロモーション(実はこれは、主に
普及売れ筋3品番を期間限定で価格を下げてエンドユーザーに買っていただくPull販促)
この価格をさらに下げる。
● 中高級品番の販売店向けプロモーション(ホーチミン営業所は、定期的ではなく
適宜行っていた。例:2つトイレを買っていただいたら、1つ洗面器をプレゼント等)
のさらなる実施。
やはり思っていた通り、直接的且つ即効果の見込める、いわゆる値引き販売セールの
意見ばかりであった。
率直に言うと値引きなど全くせずに、あるいは値引き期間を最小化して販売量を稼ぐ
ことが最も良いのは、言うまでもない。
ただ、特に我々は前述の変動費、固定費モデルで見たように、適正な売価で量を
稼ぐことが重要な事業のキーとなっている上に、当社の値引きセールの歴史、値引き
セールの効果の大きさ、競合が年中値引きセールをしていることを考えると、無視できない
販売促進活動となる。