59.海外でリーダーシップを発揮して働くために
4)本社へ方策を伝える
私は、最終責任者ではないので、上述した案を実行に移す前にハノイ本社社長の
判断を仰がなければならない。前にも述べたが、月1回ハノイで幹部会議が開催
されているので、その場でこれを行いたい旨話をした。
詳細はもう少し調査する箇所も指摘されたが、概ね承諾を得た。さらにハノイの所長が、
全社で行うべき良い案を追加してくれた。以下2つである。
● エンドユーザー向け販売プロモーションで得た売上から、いくらかをベトナムの
子供の心臓手術に寄付する。(子供が病気を抱えているが、経済的に恵まれていなく、
手術を受けられない子供も多い)
● 将来の設計士(特に高級物件、大型物件でのキーマン)である、建築大学に
奨学金を寄付する。
現在No1シェアである我々にとって、将来を見据えたふさわしい政策だと思った。
ちなみにハノイの所長は、日本に帰化した元ベトナム人である。当社がベトナムに
15年前に会社を設立したときに、お声かけしてきていただいた人である。
ベトナムの文化を良く知っているだけでなく、日本でも長年働いていたこともあり、
日本語も堪能。こういう人の意見はなかなか貴重だ。
同時に、面白いことに、方策を伝える段階で、本社の日本人が知らない、あるいは
深く認識していないこともいろいろ出てくる。