42.海外でリーダーシップを発揮して働くために

―コラム（日本人の給与と現地人の給与）―

新興国でよく念頭に入れておかなければならないことがある。

それは我々日本人の給与が、現地の彼らの給与と比較すると恐ろしく高いということである。

もちろん、日本人は日本の会社の給与がベースとなるので、日本人本人は、それほど多くも

無く当然と思っているが、（私も事実そう思っていたが）、彼らの給与を計算すると、

日本人一人が経費も含めた給与で、彼ら現地人が何人も雇えるのである。

現地人の彼らは、我々の給与を大体知っている。（現地販売に根ざした会社ほど、財務関連も

現地人が担当しているからである）。だから、本来、日本人上司として、やらなければならないこと

をしっかりやっていないと、彼らの中では『あんなにたくさん給与をもらっているのに、えらそうにして、

しんどいことはやらず、部下の尻ばっかりたたいている』となりかねない。

私もできた人間ではないので、時々だれるし、楽で楽しい方に流れがちになる。だから時々、

彼らの給与をみては反省するという繰り返しであった。彼らとバイクで営業現場に同行することが

多々あったが、こんな暑い日差しの中、毎日地道な繰り返しの活動に頭が下がる思いである。

現地人のこういう前線活動や、単調作業の多い、むし暑い環境の中での工場生産活動などが、

まさに当社を支えているのである。