9.海外でリーダーシップを発揮して働くために
会場には、当社のベトナム人営業スタッフがネクタイを締めてお客さんを待っている。
先ほど準備した商品展示があり、スピーチのためのマイク、資料を映し出すスクリーン、
プロジェクター、パーティを盛り上げるためのゲームの備品とその景品などもあり、
それなりの雰囲気だ。
そのうち、ベトナム人のお客様が来場をし始めた。我々は、お客様を並んで出迎える。
迎える方法は、握手とシンチャオ(ベトナム語でこんにちは)という言葉だ。
ちょっと上級コースになると、ほぼ同年の男の人には、チャオアン(北のハノイの発音
では、チャオアイン)、
ほぼ同年の女性には、チャオチとなる。ちなみに年が若い人には、チャオエムとなる。
年配の男の人はチャオチューだったと思う。
日本はみんな敬称で、さん付けしていればいいが、なかなか難しいなという感想だった。
外はまだスコールなので、私の折り畳み傘をベトナム人のお客さんにお貸しする。
ただ、どんどんお客さんが来場され、そのたびに勝手に貸し出されるので、
管理する暇も無くどこかへいってしまった。言葉がわからないので、意思疎通もできない。
そう私の日本から持ってきた折り畳み傘は、ベトナムの地に消えていってしまった。
そうこうしている間にもベトナム人のお客様は、次々と来場されるものの、お客様の会場席
はまだ4割ぐらいしか埋まっていない。スケジュールでは18時30分と記されているのだが、、、、、
ちょっと所長に聞いてみる。「パーティはいつから始めるのでしょうか?あまり席は埋まって
いませんが。。。」 所長いわく「ベトナム人は一般に、時間ぴったりには来ない。
特に近い人は、18時30分開始というと、18時30分に家を出るのが普通」という回答だった。
それからさらに、待っていると19時を超えたあたりから、一気に来場者が増えた。
今度は、逆に席が足りないのでは?と危惧するぐらいの勢いだ。また素朴な疑問が
芽生えた。「1お客さんにつき、何人ご招待という枠は設けておられるのですよね」?
所長「もちろん。2人と決めている。でも誰も守らない」。
確かに見ていると家族5人で来ている人もあれば、どう見ても友人や親戚まで
連れてきている人もいる。。。どうやって調整しているのだろうか?まあ質問ばかりするのも
申し訳ないので、お客様をお迎えすることに専念する。
19時15分を少し回ったところで席が95%ほど埋まった。お客様人数は全員で、
150名ほどか。