4.海外でリーダーシップを発揮して働くために
2)初めてベトナムの地へ
さて、ベトナム赴任への内示を受けて、その日すぐに妻に伝えた。
妻も驚いていたが、『まあ家族で赴任してもいい』と力強い言葉をもらった。
多少2人の娘(当時、小学生3年生と幼稚園に入る時期)が現地になじむか
気になるが、これもいい経験になるだろうという風に家族みんなで楽観的に
考えた。
赴任は4月1日付なので、約半年間ある。それまでにやらなければならないことは
多々ある。語学の勉強、予防接種、海外赴任に必要な備品の準備、現地での
住居手配、子供の学校の手続きなど。
しかし初めての海外赴任で何をどういう順序で進めていけばいいのか皆目わからず、
まさに暗中模索であった。
こんな状況の中、上司の『一度ベトナムを下見に行ったら』という好意に甘えて、
私と引き継ぐことになるホーチミン営業所の現地所長と連絡をとって、11月末に
訪問することになった。
訪問するとなると少し下調べしなくてはならない。ネットで検索すると、
ベトナムホーチミンへは成田空港から約6時間のフライト。気温は30度ほどで
高温多湿。時々スコールに見舞われる。またベトナム料理は、日本人の味覚
に合いおいしい。ただし、生水や氷を食してはいけない。衛生面に注意。
などと書いてあった。
日本はこの時期冬に入ろうとしているので、気温差は大きい。どんな国なんだろう?
と思いを馳せながら、はじめてのベトナム訪問に多少気が高ぶっていた。