31.海外でリーダーシップを発揮して働くために
3)自社を理解する。
市場を超大雑把に理解したあとは、自社の理解だ。
ここで大事なのは、何が利益を生み出すドライバーかということの確認だ。
これは、製造の人間と、経理や上司に確認すればいい。まともな会社なら
すぐ答えが返ってくるだろう。私は、上司(ハノイ本社にいる社長)に聞いてみた。
『事業利益を上げるポイントは何ですか?』。
上司いわく、我々の業界では、製造設備投資の額や衛生陶器(トイレ)を製造
するための窯稼動費(よほどのことがない限り稼動をとめることはない)などが
大きいので、固定費の割合が結構高い。
そして、利益を上げるためには、製造の稼働率を上げることと歩留まりを良くすること。
細かいことはいろいろあるが、これが基本中の基本とのこと。つまり
●営業は、量をたくさん売れ、工場は不良品をなくせということだ。
自社の損益計算書をもとに、その各数値を固定費と変動費に分けてみる。
(経理財務部に聞けば教えてくれる)。
その結果、固定費の割合が高く、且つ価格弾力値(値引きすれば大幅に
販売個数が伸びること)も高い場合は、少々値引きしても大量に売ることが
利益につながる。
逆に変動費の割合の高い業界は、それほど量にこだわらなくてもいいが、
利益をしっかり見込んだ価格で売れたほうが儲かるということだ。
つまり営業は、値引きせず上手に高値で売れ。量はあまり気にするなということだ。
当社は、前者になる。