2.海外でリーダーシップを発揮して働くために
はじめに
ある日 突然海外赴任を命じられた。役割は営業所長ということだった。海外赴任は
1度はやってみたいと思っていたし、日本の国内の営業もひととおり経験していたので、
良い機会だと前向きに思ったのは確かだ。
ただ、同時に海外赴任なんて初めての上、 国内勤務一本だったので、大学受験以来、
英語も完全に忘れている。まして現地語なんて当然わかるわけがない。
そもそも営業は人と接する仕事なので、お客様や、自社現地スタッフとコミュニケーション
できなければ仕事を進めていくことができない。
そして営業所長はどちらかというと、短期的な売上責任が求められる。つまり、赴任して
即、リーダーシップを発揮してチームをまとめ、売上を上げ続けていくことが求められる。
コミュニケーションが満足にとれない状態で、どうやってそれを実行していけるのか?
しかも、私の赴任する営業所は、代々日本人1人であとは、全部現地スタッフとのこと。
日本語で相談する相手はそばにいない。
私は、前向きにやってみようと思うと同時に、不安感も結構あるという状態だった。
これからお話しすることは、こういう状況の中で、手探りでやってきた経験談をお伝えさ
せていただくことになる。
私は、営業所長として、やらなければならないことを完璧にできたとは毛頭思っていないし、
いろいろいたらなかった点も多々あったと思う。失敗も多かった。実際もっとうまくやれる人
も多々いるであろう。
しかし、多くの方々のサポートを得て、少なくとも試行錯誤しながら何とか進めてきた経験
から得たものを皆様にお伝えすることはできると思う。そして同じ境遇の人が、そこから
それぞれ自分なりの意見を持ち、前向きに挑戦する人が増えれば幸いと思っている。
それでは私の体験談として、日本語の通じない環境で、どのようにリーダーシップを発揮
して、売上を拡大してきたのか話を進めて行きたいと思う。