83.海外でリーダーシップを発揮して働くために
ホーチミンに帰ってから、当社スタッフに例の数えない在庫のことを聞いてみた。
やはり、彼らは知っていた。知らないのは日本人だけだった。
本社の日本人も知らなかった。やはり、現地語をしゃべれないこと、現地で数年
やったぐらいでは本当の現実を知ることはできないなと改めて思った。
ただ、ここでも最初良くわからなかった。当社のスタッフは、『当社が売上のカウントに
彼らの倉庫に行くと、数えない在庫の方へ移し変えている』。という説明をしてくれた。
ここで私はまたも?意味がわからないな。。。と頭を抱え込んだ。私『本当に数えないの?』。
『いや1年に1回年末に数える』。頭の悪い私は2週間ぐらいうんうん考えた挙句、ある日思いついた。
つまり、年初にできるだけ早く数えない在庫分を売っておき、年末に残った在庫分から、
数えない在庫分に移し変える。例えば、4つが数えない在庫分であるなら、その4つ分は、
年初に売る。でもこの枠分は売上カウントされないので、請求もされない。
そして、年末にいわゆる数えない在庫分に移し変えておく。結果的にこの分は、非常に支払い
サイトの長い、最長約1年の支払いサイトとなる。そういうことか?とスタッフに聞いた。
スタッフはその通りとのこと。この1年に1回数えるということが、特権枠であった。
なるほど、こんな巧妙な仕組みがあったのか。
おそらく私や他の日本人が知らないいろいろな利権がこのほかもあるのだろう。
あずけ在庫を廃止するとこういう目に見えない(といっても日本人に見えていないだけ)
様々な利権が、すべて無くなる。こういうことが本当の理由かもしれない。
私はそのように思った。ちなみにこれを私の下手な英語力でコミュニケーションするのは
本当に骨が折れた。