77.海外でリーダーシップを発揮して働くために
代理店の理屈は、もちろん目の前の販売機会も逃したくないが、
要はあずけ在庫を有利な価格で仕入れてためておいて、少しでも通常価格で売る。
あるいは、販売店に安くする分、現金前受けで売るなどいろいろな有利な選択肢を
使って少しでも儲けようとしているのが本心だ。
代理店も多少、当社の行っていることの理屈を理解してき始めたころあいを
見計らって、『では、どれぐらいほしいのですか?』 各代理店『○○だいです。』
んー前に聞いていた要望台数よりさらに増えているな。
ここでまたいろいろな話し合いの末、代理店の新しい要望台数の半分で提案した。
代理店『少なすぎる。要望の半分しかない』。プロモーション終了が3日後なので、
要望の半分の量でも各代理店は自社に引き取れないぐらいの量だ。
私、『先ほどご説明させていただきましたように、申し訳ないですが生産能力は
無尽ではありません。また、競合に供給数で負けていません。売り切れば競合に
負けることはないです。さらなる生産能力への投資は、今後の課題とさせてください』。
さらにここから条件付だ。『ご要望の半分とおっしゃいますが、プロモーションは3日後
に終了です。つまり、当社も3日後以降はプロモーション価格終了です。それでもいいですか』?
代理店『いや、それも何とかしてほしい』まあ代理店も、自社の利益がかかっているので
言いたい放題だ。
『では代理店さんが3日間で引き取れない量は、それ以降は支払いサイトを短くさせて
いただきます』。このあたりの交渉の末、やっと収まった。
振り返ってみて、当社は値引き分を増量したが、利益に無理のない範囲で対応した。
市場も競合に取られる分は出てくるが、全体的に見て大きな影響はない。
また、プロモーション期間終了までに代理店が引き取れない分(ほとんどがそうである)
に関しては、支払いサイトを通常より短くした。これにより、当社のキャッシュフローに少しでも貢献。
一方、代理店は要望の半分であったものの、そもそも純粋にプロモーション
だけではなく、自社利益のための増量も多いので、ある程度のところで納得した。
という構造であったと思う。
まあ、そもそもこの販売プロモーションは、エンドユーザーのPullであり、販売店や
代理店の在庫のためではないという、そもそも論もあるが、実際のビジネスは代理店、
販売店に適正在庫を持ってもらわないと、空いた分は、競合が入るだけであるのが現実だ。
建前と本音(現実のビジネスの動き)が異なるところを良く現場で見ておく必要がある。
私のやり方が甘いという考え方もあるが、できる範囲で売り手良し、買い手良しを追求し、
結果として売上、利益が上がっていくことが長く商売を続ける秘訣だと思って、
自分自身を納得させた。