48.海外でリーダーシップを発揮して働くために
余談だが、私は、以上を通じて日本の英語教育にも若干 疑問を持った。
一応私も大学までは、英語を勉強していたが、しゃべれなかった。
だがベトナム初め、カンボジアやミャンマーの人たちで大学を出ている人は、
結構 英語をあやつる。決定的な違いは、スピーキングだった。
彼らも文法の間違いは結構ある。文法とリーディングだけでいくと日本人は
わりと正確だと思う。だがスピーキングでは全く勝負にならない。
今後の教育はやはり、スピーキングをもっと重視すべきと感じた。
(言語は文法的なところは間違っても、伝わればいいので)
ともかく、こういったことを通じて、現地スタッフとの距離がグッと縮まった。
現地スタッフとできるだけ直接話をする。上司のほうから部下に通訳を
介さないで直接話しかける。
これはとても重要なことだと思う。気をつけてみていると、部下の表情が
冴えないときもわかってくる。このときに、直接声をかけてあげると彼らも
いろいろ本音をしゃべりだす。ここにいろいろな改善のヒントが隠されて
いることも多い。
(といっても、私の英語力はまだまだ悲惨なレベルなので、やっとスタートに
立ったばかり。いまだに英語での会話は四苦八苦する。はずかしいかぎりである。)
また、言語に加えて、
現地スタッフに重要なことを説明するときには、必ず事前に順序だてて話す準備
が必要だ。説明する人間が現地語で直接話をしない限りは、英語で話すにしても、
日本語を元に通訳を介して話すにしても、彼らにとっては母国語ではない。
つまり100%伝わることはないというリスクを常に考えるべきである。このため、
少しでも伝わる確度を上げるために事前の準備が必要になる。
私の場合は、現状→課題→解決策→実行スケジュールという段階に分けて、
なるべく平易な言葉、短い表現で伝えるように心がけていた。
また通訳に入ってもらう場合は、通訳がしっかりと事前に私の意図がわかって
いるか確認するようにしていた。
なぜなら、人にもよるが、通訳は概してプライドが高く、理解が浅い場合でも、
わかったという意思表示をすることが多い。
それをそのまま信じていると、通訳を介して伝えたことが実際には伝わっていない、
あるいは逆の意味で伝わっているということが結構あったためである。
現地スタッフとのコミュニケーションは、くどいと感じるぐらいが一番いい。
私は結構くどいので、この面は性格に合っていた。